技術分野
本発明は、本発明はインスリン抵抗性の改善、脳下垂体や副腎機能の改善、及び内臓脂肪蓄積の減少などの作用を有する代謝改善剤に関する。
実用化技術
従来、高脂肪食による肥満及びメタボリックシンドロームの悪化のメカニズムについては多くのモデルで研究がなされている。しかしながら、高タンパク質食による内臓脂肪蓄積を再現できる食餌性モデルは提案されておらず、タンパク質摂取過剰に起因する内臓脂肪蓄積に関しての研究は進んでいない。動物性タンパク質であるカゼインの高負荷による食餌性モデル(Ann. Nutr. Metab., 50, p.299, 2006)が知られており、カゼイン量とカリウム量が異なる4種類の餌(13LK: 13% casein + Low(0.3%) K; 13HK: 13% casein + High(2%) K; 26LK: 26% casein + Low(0.3%) K; 及び26HK: 26% casein + High(2%) K)が提案されている。しかしながら、このモデルはアシドーシスの研究のために提案されたものであり、内臓脂肪蓄積に至るメカニズムの解析やそれを抑制するメカニズム及び医薬の評価には利用されていない。そこで、本発明は、インスリン抵抗性の改善、脳下垂体や副腎機能の改善、内臓脂肪蓄積の減少(例えば、腸間膜脂肪組織の重量増加の抑制、腸間膜脂肪細胞の大型化抑制)、体液(例えば、血液、尿)の酸性化の抑制、血糖値低下、血中の中性脂肪(例えば、トリグリセリド)量低下、血中の尿酸値低下及び視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA axis)の亢進の正常化などの作用を有する代謝改善剤を提供することを課題とし、肉食中心のタンパク質過剰摂取に起因する代謝異常に対して改善作用を有する医薬及び食品を提供するものである。
技術の特徴と優位性
本発明は、クエン酸ナトリウムとクエン酸カリウムの混合物を含む、血中ACTH量の低下剤である。
本発明は、インスリン抵抗性の改善、脳下垂体機能改善(例えば、血中ACTH量の増加抑制又は低下)、副腎機能の改善(例えば、血中及び/又は尿中グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)量の増加抑制又は低下)、視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA axis)の亢進の正常化(例えば、副腎皮質からのグルココルチコイド(例えば、コルチゾール)の分泌抑制;血中ACTH量に対する血中グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)量の比(血中グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)量/血中ACTH量)に対する、血中グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)量の低下;血中グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)量に対する、血中グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)量に対する血中ACTH量の比(血中ACTH量/血中グルココルチコイド(例えば、コルチゾール)量)の増加)、内臓脂肪蓄積の減少(例えば、腸間膜脂肪組織の重量増加の抑制、腸間膜脂肪細胞の大型化抑制)、体液(例えば、血液、尿)の酸性化の抑制、血糖値低下又は増加抑制、血中インスリン量の増加抑制又は低下、血中の尿酸値の増加抑制又は低下、及び血中の中性脂肪(例えば、トリグリセリド)量低下などの代謝異常の改善作用を有しており、例えば、タンパク質の過剰摂取に起因する代謝異常に対する改善剤として有用であり、特に、野菜の摂取不足と動物性タンパク質の摂取過剰に起因する代謝異常の改善やメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療に有効である。また、タンパク質の過剰摂取、好ましくは野菜の摂取不足と動物性タンパク質の摂取過剰に起因する代謝異常を改善することやメタボリックシンドロームの予防及び/又は治療に有用である。
関連する特許や論文等
・特許第6792848号(共有特許権者:日本ケミファ株式会社)