技術分野
土壌有害線虫の中でも最も農作物被害が大きいネコブセンチュウ類をキク科センダングサ属の植物抽出物を用いて防除する防除剤及び防除方法に関する。
実用化技術
現在、パネフリ工業株式会社(環境科学研究所)が「ネコブレス」(特殊肥料)を販売している。栽培作物に対する低負荷で安全性に優れた環境配慮型の防除に繋がる資材として有効である。農薬と異なり栽培期間中に使用な環境配慮型の防除剤及び防除方法として最適である。写真は左がアワユキセンダングサ、右が抽出液中の死亡した線虫。
技術の特徴と優位性
九州・沖縄地域における有害線虫の1種であるネコブセンチュウは、700種を越える植物に寄生して生育阻害や収量低下を引き起こす。この線虫は農薬による防除が一般的であるが、アワユキセンダングサ(Bidens pilosa var. radiata Scherff.)の他、変種であるタチアワユキセンダングサ、ハイアワユキセンダングサ、ヒメジョオン(Stenactis annuus (L.) Cass.)およびカタバミ(Oxalis cornicula L.)等、複数種の植物抽出液が高い抗虫活性(殺虫及び忌避効果)を発揮することを見出した。本植物由来の抽出物は、ヒトや野生生物、環境への影響が小さいため、低負荷で安全性に優れた環境配慮型の防除剤及び防除方法として利用できる。
関連する特許や論文等
特許第4528982号
・Efficacy of several control methods on the southern root-knot nematode,
Meloidogyne incognita using Bidens pilosa L. var. radiata Scherff. ②植物寄生性線虫
類に対するアワユキセンダングサ煮沸抽出液の抗線虫活性と抽出液の活性安定性