技術分野
ニガウリ病害の原因となる黒かび病菌、炭疽病菌、つる割病菌および貯蔵病害菌等の植物病原菌を有効に防除することが可能となる抗植物病原菌剤および抗植物病原菌組成物に関する。
実用化技術
現在のところ、微生物資材あるいは誘導抵抗性の要因(プラントアクティべーター)となりうる資材として開発できていないが、実用化できれば農薬使用低減を含めた環境配慮型の防除技術となり得る。写真左:炭疽病に対する拮抗性(抗生)、右:揮発性物質によるうどんこ病の抑制(左:無処理区、右:揮発性抗菌物質処理区)。
技術の特徴と優位性
近年、ニガウリが健康食品として注目され、栽培地域が拡大している。しかし、その一方で複数病原菌による病害発生が問題となっており、慣行防除として農薬散布がおこなわれている。本成果では、ニガウリ等の農作物の葉圏に生息する内生糸状菌であるハンスフォルディア(Hansfordia sp.(子のう菌類)が、ニガウリ他、種々農作物の植物病原菌に拮抗し、その活動を抑制することを見出した。ハンスフォルディア菌は、ヒトや野生生物、環境への影響が小さいと考えられるため、低負荷で安全性に優れた環境配慮型の病害防除剤及び防除方法として利用できる。
関連する特許や論文等
特許第4560632号