技術分野
栽培作物に甚大な被害をもたらす植物寄生性の土壌線虫類のうち、ネグサレセンチュウ及びシストセンチュウを、キク科センダングサ属の植物抽出物を用いて防除する防除剤に関する。
実用化技術
現在、パネフリ工業株式会社(環境科学研究所)が「ネコブレス」(特殊肥料)として販売している。栽培作物に対する低負荷で安全性に優れた環境配慮型の防除に繋がる資材として有効である。農薬と違い栽培期間中に処理できる優位性が特徴である。左写真は抽出液中の死亡したネグサレセンチュウ。
技術の特徴と優位性
九州・沖縄地域における有害線虫の1種であるネグサレセンチュウ及びシストセンチュウは、土壌中に生息し、栽培作物に寄生して生育阻害や収量低下を引き起こす。このネグサレセンチュウ及びシストセンチュウに対しては、農薬を使用した化学的防除が一般的であるが、キク科センダングサ属のアワユキセンダングサ(Bidens pilosa var. radiata Scherff.)の抽出物が、これら線虫に対して高い抗虫活性(殺虫及び忌避効果)を発揮することを見出した。本植物由来の抽出物は、ヒトや野生生物、環境への影響が小さいため、低負荷で安全性に優れた環境配慮型の防除剤及び防除法として利用できる。
関連する特許や論文等
特許第5394872号(本特許)
特許第4528982号(ネコブセンチュウ防除剤および防除方法)
・植物寄生性線虫類に対するアワユキセンダングサ煮沸抽出液の抗線虫活性と抽出液の活性安定性(雑草研究)