技術分野
大型の工作機械等において支柱を構成する構造部材は、荷重が繰り返し作用することにより、亀裂が生じることがあるが、本発明は、この構造部材に発生した亀裂の進展を防止するための亀裂進展防止構造に関する。
実用化技術
疲労亀裂が構造部材に発生し、それが工場等に移動できない場合、狭い空間での補修作業を余儀なくされる。本発明の手法は狭い場所での作業が容易であり、亀裂進展がストップホールのみでは抑制できない場合でも優れた効果を発揮する。左図はその適用例である。
技術の特徴と優位性
本発明は、板状の構造部材に設けられた亀裂の一部を跨ぐように配置された一対の補強ネジ穴に対応する一対の挿通孔を有する補強板が、補強ネジ穴と挿通孔とが同一軸線上に位置するように構造部材上に配置され、補強ネジ穴に螺合可能な補強ボルトが、補強板の挿通孔を貫通して補強ネジ穴に締結されており、構造部材には、一対の補強ネジ穴と同一直線上に位置し亀裂の一部を貫通する中央補強ネジ穴が設けられ、補強板には、中央補強ネジ穴と対応する位置に中央挿通孔が設けられ、中央補強ネジ穴に螺合可能な中央補強ボルトが、補強板の中央挿通孔を貫通して中央補強ネジ穴に締結されていることを特徴とする。構造部材が筒状をなしていたり、構造部材における表裏の両方から作業をすることが難しい場合でも、亀裂進展防止構造を容易に施工し、補強板により亀裂を拘束できる。