技術分野
建築、土木の分野におけるコンクリート構造物、とくに柱部分の少なくとも一部で壁部分がつながる壁付き柱の恒久的、応急的な耐震補強方法に関する。
実用化技術
既存の壁付き柱の耐震性能(耐力と靭性)を飛躍的に改善、恒久的に維持するとともに、地震被災により損傷を受けた直後においても比較的簡単に応急的な補強を施すことができる。
技術の特徴と優位性
腰壁付き柱の部分的な補強を行うには、左図のとおり、補強すべき部位にプレート3を配置して柱部分1及び壁部分2をサンドイッチし、プレート3を壁部分2に緊結部材4にて仮止めする。そして、プレート3と柱部分1、壁部分2の間に形成される隙間にコンクリート(又はモルタル)を充填、増し打ちし、その硬化後に緊結部材3を締め上げてプレストレスを導入する。これにより、柱を含めた壁の断面積を増大させることができることに加え、壁付き柱はその全面にプレストレスが導入されるので、能動的横拘束効果(能動的横拘束効果とは、コンクリート構造物の膨張とは無関係に最初から静水圧のように付加される拘束力と定義する)も期待できるようになり、コンクリートのはらみ出しや剥離、剥落を回避しつつ大きな水平せん断力と高い靭性が確保される。
関連する特許や論文等
特許第3834637号