技術分野
被験者の海馬機能を簡便かつ確実に評価することができる海馬機能の評価値算出方法、海馬機能の評価値算出システム及び海馬機能の評価に利用されるテストアイテムに関する。
実用化技術
本発明の海馬機能の評価値算出方法で得られた評価値をもとにすれば、fMRIなどの装置を使用しなくとも、海馬機能に影響する疾患や環境について簡便かつ確実に評価することができる。具体的には、本発明の海馬機能の評価値算出方法で得られた評価値によれば、脳卒中、頭部外傷、ハンチンソン病、ストレス、うつ病、パーキンソン病、統合失調症、アルツハイマー型認知症などの病態をリアルタイムで簡便に評価することができる。このため、脳の病気の進行の程度、治療効果の判定、鑑別などに有用である。このような評価では、数値化された海馬機能の評価値(回答の正答率)によって行うことが可能であるため、必ずしも医療従事者による専門的知識や技術が必要とされない。本発明の海馬機能の評価値算出方法によって得られた被験者の評価値を、健常者の海馬機能の評価値と比較することで、肥満患者の認知能力、糖尿病、内分泌代謝疾患の治療や管理に有効利用することができる。
技術の特徴と優位性
本発明の海馬機能の評価方法は、健常者の海馬機能の評価値((A)、(B)、(C)の各パターンごとの正答率)の平均を予め実験によって得ておき、この評価値(正答率)と被験者の海馬機能の評価値(正答率)との比較によって、被験者の海馬機能の健全性を評価することができ、被験者のパターン(B)の正答率を、健常者のパターン(B)の正答率の平均(平均値±標準偏差)と比較し、被験者の正答率が、健常者のパターン(B)の正答率の標準偏差の2倍(2SD)以上低い場合には、海馬に疾患または損傷が生じていると評価する。
関連する特許や論文等
特許第6328469号