技術分野
本技術は、レンブ(オオフトモモ;Syzygium samarangense)抽出物を含むポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤に関する。
実用化技術
技術内容:ポリADPリボースポリメラーゼ 1 (PARP1)に対する新たな阻害化合物として、オオフトモモの葉から精製したカスタラジン及びその異性体ベスカラジンを報告。
有用性:従来、オラパリブに代表される競合阻害型のPARP1阻害剤は、放射線療法等との併用による癌治療に有効とされている。本技術にて得られた2種類の化合物は、混合型阻害形式を示すとともに、DNAトポイソメラーゼIIに対しても阻害効果を示すことから、単独投与にてDNA修復過程を標的とする癌の治療への応用が考えられる。
市場可能性:本化合物は、二重阻害作用並びにPARP1に対し混合型阻害を示すことから、オラパリブ単独投与では治療効果が低い癌種、さらにヒトパピローマウイルス(HPV)感染に伴う癌を標的とした新規抗癌剤の候補の一つとして期待できる。
参考文献:Fitoterapia 129 (2018) 94-101
技術の特徴と優位性
本技術は、Castalagin、Vescalaginのいずれか若しくは両方を含み、または、Castalagin、Vescalaginのいずれか若しくは両方がオオフトモモの葉から得られたPARP阻害剤であり、このPARP阻害剤を有効成分とするBRCA1/2遺伝子変異陽性進行卵巣ガン治療薬剤である。化学合成薬剤に比べて効き目が穏やかであり,沖縄で長年,食資源として親しまれてきた自生植物であるレンブから同定した成分であることから,副作用を含む安全性が比較的高く、有益で安全な薬剤を提供できる。
関連する特許や論文等
・特許第6763114号(共有特許権者:沖縄県)