技術分野
エンテロトキシンB鎖5量体タンパク質とワクチン抗原との融合方法に関する技術
実用化技術
エンテロトキシンのB鎖と他のワクチン抗原とを効率よく融合可能なヘテロ型5量体融合法は、特に酵母、植物等の発現系で威力を発揮する。よって、経口・経鼻等の粘膜ワクチンを開発する際、有益な方法である。ヒト、家畜動物、伴侶動物等への応用が可能である。
技術の特徴と優位性
本発明によれば、以下の効果を有するヘテロ型5量体を提供できる。
(1)融合ワクチン分子の分子量を増大できるため、融合可能な抗原の種類が増大する。
(2)粘膜免疫原性をもつエンテロトキシンB鎖5量体の形成効率が向上する。
(3)ヘテロ型5量体融合タンパク質の分離・精製が簡便化される。
(4)ヘテロ型5量体融合タンパク質を産生・細胞内保持する宿主(酵母や植物)を直接的に経口摂取することで腸管免疫が可能となるため、用途によっては、上記(3)の精製が不要となる剤型を取りうる。
関連する特許や論文等
・特許第4623625号
・Harakuni T, Sugawa H, Komesu A, Tadano M, Arakawa T. (2005) Heteropentameric cholera toxin B subunit chimeric molecules genetically fused to a vaccine antigen induce systemic and mucosal immune responses: a potential new strategy to target recombinant vaccine antigens to mucosal immune systems. Infect. Immun. 73:5654-5665.