技術分野
ジェットエンジンやタービンなどに用いられ、遷音速状態で流れる圧縮性流体の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するディフューザ内気体振動制御装置およびそれを用いた振動制御方法に関する。
実用化技術
高速空気がダクト内を流れると、それだけでシステム全体が大きく振動する場合がある。その振動を制御することや、振動が原因となる圧力変動・騒音およびシステム全体の振動を低減する技術に応用できる。その制御方法は、工場内や現場での騒音の低減につながる技術である。
技術の特徴と優位性
従来、航空機や高圧プラント等に見られる、高速気体が流れる内部流れでは、内部を流れる気体が容易に音速に達し、超音速領域や衝撃波が発生する。このような流れは原理的に不安定で、機器の騒音や振動の原因になる。このような不安定な要素の中で断面積が最も小さいところから広がる領域で、特に流れが不安定化し大きく振動する原因となる。その振動の原因となる現象を逆に応用することで、効率的に騒音低減システムの構築が可能となる。
そこで、本発明のディフューザ内気体振動制御装置は、遷音速の圧縮性流体が通過するディフューザのスロート部に圧電素子を設置し、スロート部の下流に設置した圧力計を用いて圧力変動を検出し、圧力変動に基づいて前記圧電素子を駆動させることにより衝撃波を発生あるいは衝撃波を振動させてディフューザ内の気体の振動を制御することを特徴とする。
ジェットエンジン等の極めて高速で大流量の中で発生する流れ場は、高温で高圧の燃焼ガスがジェットエンジンの噴射口から噴出されるため、流れを直接制御できず間接的に制御するしかないが、そのための制御装置として本発明は極めて有効で、しかも圧電素子という非常に軽くて小さい部品の追加であり、重量の増加はほとんど考える必要がない。
関連する特許や論文等
特許第4982775号
・Experimental Study of the Response of Transonic Diffuser Flow to a Piezoceramic Actuator at Diffuser Throat, Open Journal Fluid Dynamics,Vol.3 No.2A, July 2013,
pp. 14-21