技術分野
プラズマ生成装置及び方法に関し、特に、滅菌対象物である長尺状細管や、内壁を被膜コーティング又はプラズマエッチングを行う対象物である長尺状細管に対して、プラズマの生成を可能とするプラズマ生成装置及び方法に関する。
実用化技術
プラズマによる滅菌は、酸素プラズマ中に発生する酸素ラジカルが菌と化学反応することにより菌を死滅させることができるため、ペットボトル、キャップ等の飲料容器・食品容器、食品(粉末状も可)、医療用器具などに対しても、安全に、短時間で滅菌処理ができる。
特に本発明では、長尺状細管内で無電極放電によりプラズマを生成し、長尺状細管内部で滅菌処理だけでなく、被膜コーティングやエッチングなどの各種処理も行うことができる。
技術の特徴と優位性
容器内に該長尺状細管を、長尺状細管の両端の開口が容器内に解放された状態で配置すると共に、長尺状細管の内部と外部との間に圧力差を形成するため、長尺状細管の少なくとも一部を曲げた状態か、又は長尺状細管の両端部の開口を狭くした状態とし、かつ長尺状細管の少なくとも一部に磁界を印加した状態で、長尺状細管を収容した容器内にマイクロ波を入射することで、長尺状細管内にプラズマを生成でき、電極を用いない無電極放電を実現することが可能となる。
この無電極放電は、電子サイクロトロン共鳴による放電であり、所定の気圧状態で、磁界の強さとマイクロ波の周波数が所定の関係にある場合に、マイクロ波によって、磁場中で電子が加速することにより発生するものである。
長尺状細管に挿入又は取り付ける電極が全く無いため、長尺状細管の内部又は外部を損傷したり、二次汚染が発生することも無い。しかも、スパッタリングされた電極材料が長尺状細管に付着することも無く、極めて安全かつクリーンな状態でプラズマ処理を行うことが可能となる。
関連する特許や論文等
特許第5463573号