研究シーズの内容
本研究成果は、金属製グラウンドアンカーの構造及びその設置工法に関し、のり面にグラウンドアンカーを施工した後は、防食のための防錆材の補給を不要とし、耐食性及び長期定着性を図ることで、維持管理を必要としない、いわゆるメンテナンスフリー化と長寿命化を目的とするものである。具体的には、テンドンに付着抵抗が大きいエポキシ樹脂で被覆したPC鋼より線を用いるとともに、アンカー体部を円筒形の拘束型スパイラルスペーサーによって補強することで、アンカー体部全体にグラウトが均等に充填付着するとともに、硬化されたグラウトの割裂発達を抑制し、従来工法よりも高付着力を発揮する効果を有する。また、この結果耐クリープ性の向上と、アンカー体長の縮小化にもとづく施工コストの低減を図ることができる。
実用化イメージ
従来この種のアンカー工に用いられているアンカー頭部の引張り定着に定着用充填材を用いることによって、圧着加工またはクサビを不要とし、また、テンドン引張り部にエポキシ樹脂を被覆し、さらにアンカー体部にスパイラルスペーサーを嵌合することによって、今までに存在しない新規なグラウンドアンカーとしてメンテナンスフリーの完全防食のアンカー工として利用できる。
関連する特許や論文等
特許第6037253号