研究シーズの内容
本研究は、河川、湖沼、閉鎖水域、閉鎖海域などの富栄養化の原因となる生活排水、産業排水、畜産排水、農業排水、水産養殖排水中にカリウム、鉄、及びリンが含有されていない場合であっても、沖縄地方に広く分布し、安価に手に入る琉球石灰岩を、硫黄混合物(多孔質混合物)と併せて使用することにより、微量栄養源としての薬剤を添加することなく、安価に硝酸性窒素の処理が可能となる硝酸性窒素の脱窒処理方法および脱窒処理装置に関する。
実用化イメージ
琉球石灰岩から微量に溶出するカリウム、鉄、及びリンが硫黄脱窒細菌の栄養源になり、安価に硝酸性窒素の処理が可能であり、硫黄脱窒細菌が利用しなかった硫黄成分によって生成される硫化水素ガスの発生を抑制することができる。
また、琉球石灰岩は、強固に固化した性状を持っているため、充填層の骨材として、硫黄混合物が充填物の重量によりつぶれないように機能し、充填層を保護する効果を発揮するほか、琉球石灰岩から溶出したカルシウムによって充填層内でのpHの低下を抑制でき、硫黄脱窒細菌が生育し易い環境とすることが可能となる。
関連する特許や論文等
特許第6274426号