技術分野
本発明は、窒素や希ガスなどの気体に高電圧を加えることで、物質が高いエネルギーをもつ、ガスプラズマという状態になることを応用して、粒状や粉末状のような小さな農産物に対しても、様々なウイルスや細菌などを、連続的かつ安定的に殺菌できるプラズマ殺菌装置に関する。
実用化技術
ガスプラズマの農産物殺菌への応用に着目し、種子の処理に特化したガスプラズマ殺菌装置を製作した。本研究成果は、現在の食品分野の重要課題の解決に貢献するものであり、次世代の高度食品殺菌技術の開発に貢献することが期待される。
技術の特徴と優位性
本発明は、原料ガス雰囲気下で、電極間で電圧印加により生成されるプラズマによって、対象物を殺菌するプラズマ殺菌装置において、上下方向に隙間を隔てて対向する上部電極及び下部電極から成り、当該上下の対向電極が、共に円板状で形成され、少なくとも前記下部電極が、円板中心を回転中心として回転すると共に、当該対向電極の少なくとも一方が、中央部に向かって凸状に湾曲する対向電極と、前記上部又は下部の電極の中心部から前記隙間に向かって、前記原料ガスと共に前記対象物を供給する供給手段と、前記上部及び下部電極間の外周辺近傍に形成される前記隙間からなる開口状の外周開口部を備え、前記下部電極の中心部から外周辺に向かって転動する前記対象物を当該外周開口部から外部に排出する排出手段と、を備え、前記対向電極の上部電極が、前記供給手段の供給口から前記外周開口部まで連続して形成されると共に、前記原料ガスが、前記供給手段のみから供給されることを特徴とするプラズマ殺菌装置である。
ポストハーベスト規制により、対策の打てなかった収穫後に用いることができる有効な農産物の殺菌技術となる。なお、本発明は農産物のダメージが少ないことや農薬を持ちないため薬剤耐性菌にも効果的であるなど、既存の殺菌技術に対する優位性をもつ。
関連する特許や論文等
・特許第6736063号(共有特許権者:国立大学法人佐賀大学、地方独立行政法人大阪府環境農林水産総合研究所)