技術分野
サトウキビの搾り残渣であるバガス繊維とポリプロピレンを混錬したコンポジット成形材の製造方法に関する。
実用化技術
トヨタ自動車株式会社の「レクサスGS」のエンジンカバーに採用され、このエンジンカバーは2012年1月26日から発売中
技術の特徴と優位性
本技術は、バガス繊維を、その水酸基をアセチル基に変換させたあとに、水に浸漬させて脱糖と洗浄をし、ポリプロピレンと混練してコンポジットを射出成形または熱プレスすることで、表面の平滑性を維持しつつ、サトウキビ特有の甘い臭気が大幅に減臭されたコンポジット成形材を得られることを特徴とするバガス繊維によるコンポジット成形材の製造方法である。
この方法によれば、従来の植物繊維複合材に比べ、吸水が抑制されることで、表面粗さ(Rz)の経時的な増加が抑えられ、平滑性の劣化を低減できるほか、経時的な機械的性質の劣化が抑制され、更なる機械的性質を向上できる。さらに、その物性を損なうことなく成形材表面の平滑性が維持されるとともに、サトウキビ特有の甘い臭気を大幅に緩和し、刺激臭も抑えられることから、居住空間や人が触れる製品(例えば建材や自動車の内装部品など)への利用も可能になる。
関連する特許や論文等
・特許第6948633号(共有特許権者:大阪瓦斯株式会社)
・Khan Md Sefat, Takashi Kurose, Masahiro Yamada, Hiroshi Ito, Shinichi Shibata, Investigating the Characteristics of a Natural Fiber Composite Fabricated from 9,9′-Bis(aryl)fluorene-modified Nanocellulose and Bamboo Fibe, Bioresources 17 ( 3 ) 4559 – 4567 2022
・Khan Md Sefat, Takashi Kurose, Masahiro Yamada, Hiroshi Ito, Shinichi Shibata, Fabrication of 9,9′-Bis(aryl)fluorene-modified Nanocellulose Bamboo Fiber Composite, Bioresources 16 ( 2 ) 3907 – 3915 2021