技術分野
植物繊維であるバガス繊維で強化したポリプロピレン樹脂材料、特に射出成形に適したバガス繊維強化ポリプロピレン樹脂材とその製造方法および成形品に関する。
実用化技術
バガス繊維強化ポリプロピレン樹脂材は、バガス繊維の強化効果により、樹脂物性、特に曲げ強度や弾性率が向上するので、成形品は強度を要求される用途にも広く使用することができる。特に、四輪車や二輪車の自動車部品として高剛性、高強度が要求される部分にも、適度な強度を備え、軽量で安価な構成部品として採用できる成形品を供給することができる。
技術の特徴と優位性
本発明のバガス繊維強化ポリプロピレン樹脂材は、ポリプロピレンに、破断して長さを調整したバガスを配合している。通常、植物繊維は160℃で熱分解が始まり、金型を汚染したり不快な臭気を発生し、ポリプロピレンとのコンポジットでの成形が困難である。
この発明ではバガスに特殊な処理を施し、高流動ポリプロピレンを使用することにより、容易にバガス繊維を混練することができ、またバガス繊維を含有した樹脂材が高粘性になることを抑止し、バガス繊維の破損や劣化を防ぐことができる。
関連する特許や論文等
特許第4370416号
・柴田信一、曹勇、福本功「バガス繊維と生分解性樹脂による複合材料の作成と強度の検討」日本機械学会論文集C.Vol.71(No.704)p1400-1405(2005)