研究シーズの内容
日本にはおよそ40種類のツツジ属植物が自生しています。それらの交配によって作られたツツジやサツキなどの園芸品種には、花色は白、桃~赤紫色、花型は小輪、中輪、大輪、二重咲、八重咲、しべ咲きなど多種多様な品種が存在します。ツツジの花芽は夏から秋にかけて枝の先端に形成されますが、その後、打破するために低温に遭うことが必要な休眠に入ります。
沖縄などの亜熱帯地域では、打破に必要な気温まで下がらないため、既存のツツジ品種は、必ずしも沖縄の気候に適していません。一方、台湾にはキンモウツツジという野生種が自生しており、その中には花芽の休眠性を示さない系統が存在します。
当研究室では、亜熱帯地域における栽培に適したツツジ品種の作出を目的に、キンモウツツジと日本に自生する常緑性ツツジ種との種間交配を行うことで、低温要求性の低いツツジの育種を試みてきました。これまで、キンモウツツジの低低温要求性が遺伝した複数の雑種実生を得ており、沖縄本島で栽培すると、早いものでは10月上旬、遅いものでは2月頃開花が始まります。
実用化イメージ
分野および用途
・花卉園芸作物の遠縁交雑育種による新規特性を持った品種の作出