研究シーズの内容
沖縄県は亜熱帯の気候を活かした農業生産が行われていますが、地理的条件や気象条件からその生産性が影響されるという特徴がある。このような背景に対応するため、地域性や気象環境に合わせた基礎的な生産技術の確立、管理体制の構築が求められている。当研究室では、光の分析技術(可視・近赤外・赤外域の分光,旋光,蛍光)を利用し、農産物・食品等を対象とした品質評価技術とその情報利用に関する研究を行っている。
本技術は、対象物の化学成分や状態を推定する分析技術である。光の性質を応用した技術であるため、非破壊・非接触・迅速という特徴がある。従来の化学分析では分析環境や専門的な技術の整備、化学薬品の扱いにコストがかかるが、その代替法として本シーズが利用できる。また、生産現場へ持ち運びが可能なポータブルタイプの分光装置に関する研究開発も行っている。
実用化イメージ
分野および用途
・実用化の例として、農産物・食品の品質評価、食品加工プロセスにおける迅速分析,異物検出法の開発等が考えられる。また、当研究室はさとうきびの関連企業・機関と連携し、品質評価技術を開発・実用化している。本技術はネットワークシステムとして構築することにより効率的な管理技術として応用されている事例がある。
関連する特許や論文等
1)E.TAIRA et, al., Networking system employing near infrared spectroscopy for sugarcane payment in Japan, J. Near Infrared Spectroscopy, Vol.21(6),p477-483, 2013.
2)E.TAIRA et, al., Non-destructive quality measurement system for cane stalks using a portable NIR instrument, International Sugar Journal, Vol.117(1398),p430-433, 2015.