研究シーズの内容
拡張現実(以後AR)は、カメラで撮影した映像に対してリアルタイムに情報を付加する技術である。ARの本質的なメリットは、人が見ているものと同じ映像を利用し情報の視覚的位置関係を提示することで、直感的に情報と対象物を結びつけることができるという点にある。ARを実現するためには、撮影画像中に含まれている物体を認識し、対象物とカメラの相対的な位置関係を推定する必要がある。当研究室では主に、屋外展示施設でのARを用いたガイダンスシステムに関する下記①~③の研究に取り組んでいる。
1.日照等の変化に伴う対象物の認識精度の低下改善に関する研究
日照等の変化により対象物の見え方は大きく異なり、認識精度が低下する。新相学習、SVM等の機械学習を用い日照変化にロバストな認識手法の開発を行っている。
2.認識した対象物に対する付加情報の提示方法に関する研究
展示物が多数ある場合、付加情報により画面が埋め尽くされ、視認性が低下する場合がある為、利用者の興味対象を推定し提示する情報の絞り込む手法の開発を行っている。
3.訪問者の動線制御に関する研究
ARによるガイダンスシステムを用いることで物理的な制約を用いず、利用者の心理的負担をおさえ、自然に動線を制御する手法の開発を行っている。
実用化イメージ
-博物館等におけるARガイダンスシステム
-城跡等屋外文化施設におけるガイダンスシステム
関連する特許や論文等
泉川真理南,赤嶺有平ほか:史跡等屋外展示施設におけるARを用いたガイダンスアプリケーションのUI開発,第17回情報科学フォーラム講演論文集, J-028(FIT奨励賞受賞)
津波古正寿,赤嶺 有平,根路銘 もえ子:史跡等屋外展示施設におけるAR案内システムの開発,第 176回 ヒューマンコンピュータインタラクション研究会