研究シーズの内容
一般に,ドローンによる上空からの俯瞰撮影ではカメラ視点位置が3次元的に変化するため,目標物体の外観が変わり物体識別が困難になる.特に災害発生時には,道路交通網の状況を速やかに観測するとともに車両等による道路閉塞場所を把握し,通行困難帯を回避することが出来れば救助活動や支援活動の円滑化のために非常に有益である.このとき,サイズや形状の異なる複数の車種や人物を自動検出できれば正確な状況把握が可能になる.
本研究では,ドローンにおいて俯瞰視点からの物体認識能力を備え,自動的に遭難者・被害者・対象物体等の検出を行う知的自律制御ドローンの研究を行っている。すなわち、
① GPSや自動ポジショニングSLAMによる自動飛行
② 自由視点からの観測に伴う外観変化に対応する人物・物体検出システム
③ 機械学習・AIシステムによる多様な物体認識・検出アルゴリズム
④ 飛行・通信・制御の最適化技術
を実行する。現時点で92%以上の精度で自動検出を達成し、さらに精度向上を進めている。
実用化イメージ
・移動型防犯カメラシステム
・農産物生育調査管理システム
・インフラ保全・点検・環境計測への応用
・遭難者不明者捜索システム
関連する特許や論文等
(論文)自律飛行型ドローンのためのNeural Networkを用いた3次元自由視点認識システムの構築,電気学会論文誌D部門誌,Vol.136-D, No.11, pp.719-726(2016)
(学会発表)多目的自律型ドローンのための俯瞰視点人物検知システムに関する研究」,電気学会・次世代産業システム研究会資料,IIS-17-094,p.13-18(2017)