研究シーズの内容
ひったくり・窃盗・ひき逃げ・拉致誘拐などは街頭犯罪と呼ばれ、日常の生活範囲で発生する。特に、ひったくりは容易に実行できるため模倣性・再犯性が高く、また老人・女性など社会的弱者がしばしば狙われる悪質な犯罪行為である。しかし、パトロールや自衛には限界があるため、AIシステムを用いた知的防犯カメラを開発し、ひったくりをはじめとする各種街頭犯罪の発生を自動検知し、自動通報・救急要請・証拠記録等を実行できれば極めて有益である。
本研究は「ひったくり」を対象として、その発生を自動検知するための犯罪行動モデルを定義するとともにAIシステムを用いて犯行の発生を高精度に自動検知する次世代型人工知能セキュリティカメラ(ISCAS)を研究・開発している。すなわち、ISCASは、
① 映像解析による高精度な物体認識と人物検出
② 物体移動と人物行動の追跡・解析・推定
③ ひったくり行動モデルとAIシステムによるひったくり犯罪行為の検出
④ ひったくり発生の自動検知と自動通報
を実行する。現時点で94%以上の検知精度を達成しており、さらなる性能向上を進めている。
実用化イメージ
・インテリジェント防犯カメラシステム
・屋内・屋外における保安システム
・行動解析システムおよび挙動推定システム
・ゴミ不法投棄防止および危険防止システム
関連する特許や論文等
(論文)機械学習を用いたひったくりを自動検知する知的防犯カメラ,電気学会論文誌C部門誌,Vol.136-C,No.3, pp.100-108(2016)
(学会発表)次世代型知的防犯カメラのための視点変化に頑健なオブジェクト検知に関する研究,電気学会次世代産業システム研究会講演集IIS-17-103,(2017)