研究シーズの内容
多種多様な文書が電子化されている中、望みの文書を探し出すにはキーワードに基づく検索程度に留まっており、十分な環境が整っているとは言えない。言語を用いずに好みの小説を探す方法としては、ランキングや「小説Aを購入した方は、小説Bも購入している」といった間接的な情報に基づく「推薦情報」が一般的であるが、その結果、似たようなモノばかりが推薦されるなど、本当に欲しいモノを能動的に探し出すことが困難な現状がある。
文書検索の例として「ある物語を読み終えた後に生じる感情」は、同じ物語であっても人それぞれ異なる。例えば、桃太郎を読んだ後、奮起して桃太郎のようになりたいと考えるか、鬼ヶ島のような危ない場所に近づかないと考えるか様々である。本研究ではこのような「読後感情の違い」を踏まえた推薦システムを構築するため、「読後感情推定」に取り組んだ。発展途上の段階ではあるが、人間に寄り添うためのデータマイニングに取り組んでいる。
実用化イメージ
・認知的評価アンケートを通した好み等の傾向抽出
・抽出パターンに基づいた推薦
関連する特許や論文等
1)平良浩嗣・當間愛晃・遠藤聡志・山田孝治・赤嶺有平:認知的評価を利用した物語の感情推定に関する基礎研究、FAN2015(インテリジェント・システム・シンポジウム)、pp.98-101、2015
2)Toma, N., Akamine, Y., Yamada, K., Endo, S.: A study on emotion estimation of narratives using cognitive appraisals of the reader, SMC2016 (IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics), pp.572-576, 2016