研究シーズの内容
本研究では、生産システム等の性能向上を図るために、ハイブリッドペトリネットと呼ばれる数理モデルで生産プロセスを記述し、機械と労働力を効率良く割り当てるスケジューリング手法を構築した。
スケジューリング問題は、種々の制約を満足する実行可能なスケジュールの中で最適なスケジュールを求めるものである。本研究では、複雑な並行システムを視覚的に分かりやすく表現するためにペトリネットを用いて、課題解決を行うことができる。
応用事例として、農業生産法人等が管理する複数圃場の生産ラインの効率化を図った。図1は、単一圃場でのさとうきび生産スケジュールのペトリネットモデルを示す。同様に、複数圃場での作業、様々な農業機械の使用期間、労力等をモデル化したペトリネットモデルから混合整数計画問題を抽出し、最適化プログラムでスケジュールを生成した結果を図2に示す。
図1 生産スケジュールのモデル化
図2 生成されたスケジュールの表示例
実用化イメージ
・ネット理論による生産工場や交通システム等における様々な事象の可視化
・システム数理的アプローチによるプロセスマイニングによって業務の可視化と最適化
・最適化処理のための高速アルゴリズムの開発
関連する特許や論文等
13)ネットモデリングに基づく数理計画の自動生成と大規模最適化計算に関する研究,科研費 基盤研究,2010~2012
14)iBeaconを活用したトラッキングシステムに関する研究開発, 沖縄県内民間企業からの委託研究, 2014~2017