研究シーズの内容
久保田研究室では自然史ビッグデータを構築し、日本に分布する植物や動物(哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類・サンゴ等)の種の空間分布を予測するシステムを完成させ、さらに、同様な情報整備をアジアや全球スケールでも推進している。このシステムでは、沖縄県や日本全国のあらゆる場所における生物種リストおよび分布確率を瞬時に生成することが可能で、このような自然史ビッグデータを活用して、生物多様性の保全政策や民間企業の環境保全に関するCSR活動を、科学的に評価する分析ツールを開発して、その成果を行政や企業へフィードバックしつつある。さらに、農林業や観光産業における、生物多様性資源の持続的利用についても検討し、地域産業の気候変動適応の分析ツールを開発しつつある。
実用化イメージ
・生物同定システム(人工知能)における学習データの提供
・生物多様性ビッグデータを基盤とした環境アセスメントの高度化
・生物多様性ビッグデータを活用した環境教育教材の開発
・生物多様性の空間分布情報を活用した都市緑地デザイン
・温暖化に対応した生物多様性資源の適応的管理の分析
・環境変動に対応した農林水産資源の変動予測とリスク分析
・観光産業における生物多様性情報の活用
・生物多様性ビッグデータを活用した自然再生計画の分析
関連する特許や論文等
1) Kubota Y., Shiono T. & Kusumoto B. (2015) Role of climate and geohistorical factors in driving plant richness patterns and endemicity on the east Asian continental islands. Ecography 38: 639-648.
2) Lehtomäki J., Kusumoto B., Shiono T., Tanaka T., Kubota Y. & Moilanen A. (2019) Spatial conservation prioritization for the East Asian islands: A balanced representation of multitaxon biogeography in a protected area network. Diversity and Distributions 25: 414-429.