研究シーズの内容
火力発電所や下水処理場からの二酸化炭素を効果的に回収する技術開発、回収した二酸化炭素の固定化と活用を兼ねて海水への溶解と藻類への培養に関する技術開発、さらに大量培養した藻類の活用法として藻類によるエネルギー利用に関する技術開発を行っている。このような技術開発において、熱流体を中心とした工学的な視点でアプローチしており、例えば、海水の流れを可視化し藻類生育との関係性(流れの速さや乱れの影響)の検証を行っている。
炭素回生サイクルは、今後、特に沖縄県や東南アジアを中心とした島嶼地域における災害時の緊急用や、現有システムを補完するシステムとしての導入が有効であると考えている。そのためにも、さらなる高効率な炭素回生サイクルの実現に向けて各技術開発の高度化を目指し、二酸化炭素溶解に伴い酸性化した海水や分離回収したメタンバイオガスの利活用、藻類を始めとした水産物への適用、効果的なエネルギー活用等を検討していく必要があり、新たな技術連携を図りたいと考えている。
実用化イメージ
分野および用途
・環境リサイクル分野、農水産分野
・排ガスおよび消化ガス等からの二酸化炭素分離・回収技術、二酸化炭素溶解海水の水産業利用、メタンバイオガスの利活用、酸素溶解による水産物への適用
関連する特許や論文等
1)瀬名波出・永松和成・依田欣文・渡部鷹介:クビレズタ養殖生産性向上のためのCO2の利用技術、ALGAL RESOURCES、Vol.7、pp.13-40、2014
2)大学研究経費:琉球大学重点研究「海洋バイオマスの高速大量培養技術による炭素回生システムの構築」、研究代表:瀬名波出、(平成25年~27年)