鋳鉄時に排出される鋳物砂の廃棄コスト削減を目指し、主成分のシリカをガラスへ転用を検討している。成分分析では鋳鉄砂には硫黄系樹脂の他に微量金属が含まれていることが明らかになったため、これらを化学薬品（溶媒・酸・塩基）で除去を試みた。その結果、金属は溶出したが樹脂の溶出は困難であったが900 ℃の加熱により樹脂が除去できたため、ガラス原料として利用可能であることがわかった。この結果から、鋳鉄砂とガラス原料を混合して直接ガラスの合成を試みたところ、小スケールでは成功したが、大スケールでは樹脂の発火で加熱ムラが生じ不均一なガラスとなった。上記より、鋳鉄砂はガラスへの転用が可能であるが、樹脂を除去する前処理に昇温方法の工夫や燃焼などが必要であることが明らかになった。今後は前処理条件を決定し、量産化を検討する

図. 熱処理前後の鋳物砂-ガラス原料

鋳物砂由来のガラス製品（お土産品、石敢當、琉大ブランドなど）