研究シーズの内容
本研究室では、様々な生活習慣病発症リスクとなる肥満に着目し、そのモデル動物(高脂肪およびコレステロールを添加した飼料を与えることにより作成した食餌性肥満モデルラット)を用いて食品中の各種機能性成分(食物繊維など)の有用作用の評価を行っている。例えば、この肥満モデルに水溶性食物繊維のグアガムを与えると脂質代謝改善効果がみられ、不溶性食物繊維の小麦ふすまの場合では盲腸は大きくなり、糞便排出を促進する効果がみられた。消化管腔内では水分が小麦ふすま繊維の表面に吸着したり、間隙に侵入したりするなどして容積を増大する。この高い保水能によって緩下作用が誘導され、排便量が増大したと考えられた。今後は、生活習慣病の改善に繋がる様々な沖縄県産野菜や果物を探索・評価し、科学的なデータに基づいた健康と栄養の密接な関係性について検討していく。
実用化イメージ
分野および用途
● 食餌性肥満モデルラットを用いた機能性評価試験による有用野菜・果物等の素材や健康食品の開発援助
● 生活習慣病予防に関する栄養教育
関連する特許や論文等
1)大西竜子, 食餌性肥満モデルラットおよび小麦ふすま摂取がメタボリックシンドローム関連指標に及ぼす影響, 琉球大学教育学部附属実践総合センター紀要, 第24号, 2017年3月