研究シーズの内容
泡盛を蒸留する際に発生する泡盛蒸留粕は栄養価が高く、その有効利用が求められている。泡盛蒸留粕の圧搾濾液である「もろみ酢」は1973年に商品化され、クエン酸およびアミノ酸が豊富に含まれた健康飲料として認識されている。しかしながら、ブーム時に比較して現在の出荷量は3分の1以下に低下しており、新規ユーザーの獲得等その販路拡大が課題となっている。もろみ酢の持つ課題として、独特の風味を敬遠するユーザーも多く、更なる顧客獲得のためには風味の改善が求められている。我々は風味改善を目的に、もろみ酢を乳酸発酵させる技術を確立している。また、泡盛蒸留粕は栄養価は非常に高いが、腐敗が早いことが飼料化を困難にしていた。我々は腐敗原因菌を特定するとともに、選抜された特定の乳酸菌により泡盛蒸留粕を発酵させることによって、その腐敗を抑制することに成功している。本乳酸菌発酵飼料を給餌した豚は肉質が良くなるとともに、腸内細菌叢が大きく変化するなどの結果を得ている。
実用化イメージ
泡盛蒸留粕を乳酸菌で発酵させた発酵食品や機能性食品畜産飼料等の新規開発や既存商品の高度化・高付加価値化等
関連する特許や論文等
平良東紀他. 泡盛もろみ酢由来乳酸菌増殖促進因子の精製と諸性質. 日本生物工学会(2015)