研究シーズの内容
沖縄県はアルコールや生活習慣による肝疾患の年齢調整死亡率が、男女ともに全国最悪であることが問題視されている。そこで我々は、アルコールや薬剤などによって起こる様々な肝障害のメカニズムについて、特に最近注目されているミトコンドリアの機能を中心に研究を行なっている。現在、肝臓に存在するミトコンドリアの機能障害によって肝障害が誘発されることがわかっており、この機能の改善効果のある沖縄産バイオ資源の探索を行なっている。現在までに紅麹から単離されたジメルミ酸やモズク由来のフコキサンチンなどの成分にミトコンドリア機能障害を改善する効果が判明し、肝臓保護作用を有することを発見した。これらの成分に関して、より詳細な作用機序について解明を進めている。沖縄県は日本で唯一の亜熱帯地域といった地理的・気候的な特性から様々なバイオ資源が存在しており、その生理活性物質を用いた機能性食品や医薬品への開発を目標に研究に取り組んでいる。
実用化イメージ
肝機能障害改善効果のある機能性食品・医薬品開発
関連する特許や論文等
1) Mechanisms of cell death pathway activation following drug-induced inhibition of mitochondrial complex I. Redox Biol. 2015.4:279-288
2) Targeting mitochondria with methylene blue protects mice against
acetaminophen-induced liver injury. Hepatology. 2015.61(1):326-336
3) The role of a membrane-bound glutathione transferase in the peroxynitrite-induced mitochondrial permeability transition pore: formation of a disulfide-linked protein complex. Arch Biochem Biophys. 2011. 516(2):160-172.
など