研究シーズの内容
再生治療に使用可能な生分解性の不織布を開発
ヒトの各組織から、幹細胞を迅速かつ大量に抽出培養し、細胞シート化できる不織布を開発した(下図)。この不織布は、医療機器グレードの生分解性の材料(組成: PLGA/HAp)で出来ており、ウェルプレートにすっぽり填まるサイズ(Φ14 mm – Φ30 mm)になっている。これまでに、不織布の繊維の異方性を高めたものを作製し、脂肪組織、歯髄組織、骨髄組織、骨髄液、臍帯組織、臍帯血などから各幹細胞を迅速かつ大量に抽出し、細胞シート化することに成功している。これらの細胞シートは生体内にそのまま移植投与可能である(下図)。幹細胞シートを何枚も積層し、厚みのある組織を作製することにも成功している。
実用化イメージ
再生治療用の幹細胞シート、人工組織、人工臓器、再生治療用の幹細胞の大量培養基材
関連する特許や論文等
- H. Sunami, Y. Shimizu, N. Futenma, J. Denda, H. Nakasone, S. Yokota, H. Kishimoto, M. Makita, Y. Nishikawa, “Rapid Stem Cell Extraction and Culture Device for Regenerative Therapy Using Biodegradable Nonwoven Fabrics with Strongly Oriented Fiber” Advanced Materials Interfaces, Volume 9, Issue 16, e2101776, 2022.
- 角南寛, 清水雄介, 普天間直子, 牧田昌士, 大阪直也, 西川靖俊, コラゲナーゼを用いないで脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離抽出培養するための方法、及び脂肪由来幹細胞分離抽出用キット, 特許第6783969号, 2020年10月26日登録.
- 角南寛, 清水雄介, 普天間直子, 牧田昌士, 大阪直也, 西川靖俊, “組織再生を促進する幹細胞抽出培養シートの開発” BIO INDUSTRY, Vol.36, No.10, 38-47, 2019.