研究シーズの内容
通常、水素と化合するときは加熱・加圧する必要があるが、窒化ホウ素など一部の物質は非常に反応しにくい。しかし水素などの反応性ガスとボールを資料とともに容器に封入し、ミリングすることでメカノケミカルな反応で水素が結合する。これにより炭素や窒化ホウ素など様々な物質が室温でも水素化し、ナノ結晶を有する機能性物質へと変化する。本研究室では、超電導材料のMgB2などホウ化物を水素中でミリングすることで、Mg(BH4)2など還元剤へ利用されるボロハイドライドを合成する技術を保有している。更に特殊環境下では異方性を持ったナノ結晶をミリングにより合成可能であり、組成・組織を自在に制御する技術も保有している。本研究室では、振動型と遊星型のボールミル装置を保有しており、混合・粉砕・水素化など用途に応じて幅広い技術を提供できる。
図.ミリングによる水素化のイメージ
実用化イメージ
・水素化物合成
・混合・粉砕による組成・組織制御
・還元
関連する特許や論文等
1) T. Nakagawa, et al., Int. J. Hydrogen Energy 38 (2013) 6744-6749
2) 中川鉄水ら、日本金属学会誌 77 (2013) 609-614.