研究シーズの内容
近年、地球温暖化対策として二酸化炭素の資源化技術確立が課題となっている。具体的には二酸化炭素と水素などと触媒下で反応させることで炭化水素や高分子、ギ酸などに変換する技術が検討されており、多くは金属触媒が用いられている。本研究室では、水素吸蔵合金が表面で水素分子を原子状に解離する性質に着目し、これをメタン化反応などの触媒に応用する研究を行っている。これまでの成果としては、水素吸蔵合金は触媒としては比較的低温である200 ℃でメタン化が進行すること、二酸化炭素に活性な水素吸蔵合金ほど水素中でメタンを多量に生成することを発見し、水素-二酸化炭素気流下では一酸化炭素を多く生成することを明らかにした。現在はこの転化反応のメカニズムを解明するとともに、変換率の向上を目指して合金の組成や条件を最適化するとともに、サンゴなどの炭酸カルシウムを用いたメタン合成技術の確立を目指している。
実用化イメージ
メタン合成、一酸化炭素合成
関連する特許や論文等
1) N. Hanada, et al., J. Alloys. Compd. 647 (2015) 198-203.
2) N. Hanada, et al., J. Alloys. Compd. 705 (2017) 507-516.