研究シーズの内容
液体試料を用いたNMR測定は有機化合物などの構造解析に広く用いられている。一方、溶媒に溶解しない物質や、溶解により構造が変化する物質の測定、さらに固体状態固有の構造情報を得るには固体NMR測定が有用である。測定対象物質の構造等の情報を得るだけではなく、電子系の揺らぎや磁気状態に関する情報を得ることも可能である。
本研究室では主に固体NMR測定を行っており(いわゆるMAS-NMR測定は行っていない)、最大9 Tの様々な磁場下で、室温(300 K)から極低温(約0.1 K)までの温度領域での測定が可能であり、結晶構造や電子状態の詳細な温度変化について測定することが可能である。また、最大12万気圧の高圧力下での測定も可能である。この様な極限環境下における固体NMR測定を行える研究室は九州/沖縄地区にはほとんど無い。
これまでに金属や絶縁体、磁性体などについて固体NMR測定を行い、結晶性の評価や磁気揺らぎや秩序状態の形成について、原子核レベルの微視的な視点から研究を行ってきており、固体NMR測定を用いた物性評価や低温領域における物性の分析・評価に関する助言等が可能である。
実用化イメージ
・固体NMR測定を用いた新規素材の物性評価
・温度変化(室温~極低温域)によって生じる物性の変化に関する分析・評価
・室温以下における材料の物性評価に関する助言
関連する特許や論文等
論文や学会発表などは下記URLを参照。