研究シーズの内容
鋼橋の長寿命化設計・適切な維持管理において、建設地点の鋼材腐食環境を定量的に評価し、適切な防錆・防食対策技術の確立が急務である。
本研究では、腐食環境が厳しい亜熱帯島嶼環境の沖縄において、沿岸部、市街地部、山間部などに架設されている橋梁と、4箇所の暴露試験場を対象に、錆質調査、鋼材センサーを用いた腐食環境調査、海塩粒子の飛来特性および濡れ環境を測定し、亜熱帯島嶼環境下での鋼橋の腐食環境特性評価に関する研究を実施している。
また、強紫外線、高飛来塩分量という特徴がある暴露試験場を利用し、厳しい腐食環境下における防食技術に関する研究を実施している。
図1 飛来塩分による腐食速度
図2 腐食環境調査器具
図3 暴露場の模擬橋梁架台
実用化イメージ
・沖縄県特有の過酷な腐食環境を活用した防食技術開発(高耐候性塗料の暴露試験、腐食抑制材料の暴露試験、耐塩害仕様の検証等)
・鋼材の耐候耐久性評価に関する研究(複合サイクル試験、塩水噴霧による促進試験等)
関連する特許や論文等
7)約30年曝された無塗装仕様耐候性鋼橋のさび評価と腐食減耗特性、日本鋼構造協会、鋼構造論文集、第21巻(第81号):pp79-87、2014
8)共同研究「腐食劣化した橋梁の回復技術に関する研究」(平成22年度~平成23年度)