研究シーズの内容
コールドスプレー技術は、金属材料の融点または軟化点より低い温度のガスをスプレーガン内部で超音速域まで加速させ、ガス内部に混入した金属粉体を対象鋼材面に衝突させ積層させる技術である。
本研究では、土木鋼構造物の補修技術としてコールドスプレー技術を適用することを考慮し、犠牲防食効果が期待できる亜鉛粉体と素地調整効果が期待できるアルミナ粉体の混合粉体を用いた防食技術(SmartZIC工法)の開発を行っている。本手法の特長は①付着力が高い、②成膜時の機材スポット温度が低いため、熱による変質が生じない、③アルミナ粉体により腐食鋼板面の素地調整が同時にできる、④緻密な皮膜が形成されるため,封孔処理を必要としないこと、⑤さび鋼板面への成膜が可能なことなどが挙げられる。
図1 コールドスプレーシステム概要
図2 さび鋼板面への成膜状況
実用化イメージ
・コールドスプレー工法を用いた現場施工が可能な重防食下地の技術開発
・コールドスプレー工法を用いた腐食部材の機能回復に関する技術開発
関連する特許や論文等
9)さび鋼板面に対するコールドスプレー法の防食皮膜形成に関する実験的研究、鋼構造論文集、第24第93号、pp.65-72、2017
10)腐食した高力ボルト継手構造の耐力診断法の構築と高耐久防食技術の開発、科研費基盤研究、平成30年度-平成32年度