研究シーズの内容
図1溶融池に働く力 |
アーク溶接は、工業的に広く利用されているが、重力により溶融金属が垂れ下がり、溶接欠陥が発生し易く、継手品質や溶接能率が低下する。これに対し、我々は溶融池内に反重力方向の電磁力を発生させ、重力に起因する溶接欠陥を抑制する「溶融池磁気制御アーク溶接法」(ECMP法)を提案している。ECMP法を下向姿勢溶接に適用した基本概念図を図1、また溶融金属の流れを図2に示す。本手法は既にLNGタンクの横向、立向姿勢等の厚板多層溶接等に実用化されているが、上向、下向姿勢溶接においては、その溶接現象が横向、立向姿勢に比べ複雑なため、適用範囲が限定される。我々は、ECMP法の適用拡大を目的に、外部磁場を付加した場合の高温の溶融池の流動および温度場を詳細に観察し、そのメカニズムを調べている。
図2溶融池の流れの様子 |
他にも、物体の冷却等に利用されている衝突噴流について、PIV処理による流れ場の可視化等を用いて、その流動および熱伝達特性に係る研究を行っている。
実用化イメージ
分野および用途
電磁力を用いたアークおよび溶融金属の制御、高温金属の流動解析および温度測定、熱交換器の性能評価、流体の可視化など
関連する特許や論文等
1)非対称交流磁場を用いた溶融池磁気制御アーク溶接法の適用拡大の研究,科学研究費基盤研究,2013-2015
2)溶融池磁気制御アーク溶接法による溶込み制御に関する研究,科学研究費基盤研究,2016-2018