アダン Pandanus odoratissimus L.f.

分類
植物
和名
アダン
学名
Pandanus odoratissimus L.f.
方言
アダン、アダーヌキ、アダシ、アダンギ、アダンギ
詳細分類植物界>被子植物門>単子葉植物綱>タコノキ目>タコノキ科>タコノキ属
用途薬用, 布・繊維, 建材, 木工用材, 防風, 護岸
薬用部位茎, 枝, 繊維, 根茎根塊, 気根
性状アダンは、タコノキ科タコノキ属の常緑小高木。亜熱帯から熱帯の海岸近くに生育し、非常に密集した群落を作る。時にマングローブに混生して成育する。アダンは高さ 2-6m ほどになる常緑の小高木である。成長とともに太い枝が横に展開し、そこから気根(支柱根)を垂らして接地する[1]。この支柱根が木を安定させ、風倒を防いでいる。

葉は幅 3-5cm、長さ 1-1.5m にも達する細長い披針形。基部はやや広がっており、茎を包むような形で生じる。葉は皮質で硬く厚く、落ちても茎には跡が残る[1]。アダンの葉の辺縁部や主脈には鋭い棘がある。主脈上のそれは先端近くでは先向き、根本近くでは根本向きになっており、中程では交互の向きに並んいるため、どちら向きにでも刺さるようになっている。
アダンは雌雄異株であり、夏季に雄株は房状の花序、雌株は球状で小型の花序をつける。雄花序は長さ 20-25cm であり、複数の緑色-黄白色の葉状の総包と白色の肉穂花序からなる。総包は長さ 10-20cm、肉穂花序は 4-5cm ほど。肉穂花序は多数の小枝に分岐しており、そこから多数の雄蕊が生じる。雌花序は太い軸の先端から生じる広楕円形。葉状で白色の長さ 10-20cm の総包十数枚を伴う。雌蕊は楕円型。
伝承顔面神経痛、しらくも、胸やけ、下痢、淋病の良薬
引用文献「熱帯・亜熱帯の未利用植物資源の多目的高度利用システムに関する研究報告書」 財団法人 地域産業技術振興協会

4-88024-120-2「沖縄民俗薬用動植物誌」 飛永精照監修 前田光康 野瀬弘美編集

沖縄の薬草と民間療法 仲本信幸著

「渡嘉敷島の自然」